1973年10月6日、岡元家長女としてこの世に生を受ける。命名・厚子。
まもなく10歳上の従姉妹が、同姓同名「オカモトアツコ」であることに、遅まきながら両親気づく。
親戚内に「オカモトアツコ」、ダブルブッキング。かなりのオトボケ一家であることが判明。
言葉がようやく出だしたあつこ1歳半、妹誕生。
抱っこからの強制脱皮。はやくも自立心が芽生える。
2歳の誕生日に買ってもらった補助輪付き自転車をブイブイ乗り回し、華やかに公園デビュー。
得意技は砂つかみ投げ。男女無差別級・連戦連勝。お砂場の天下を取る。
時を同じくしてあつこママは土下座王になる。
3歳。ツツジの植え込みに頭から突っ込み右顔面負傷。
二度とよそ見をしながら歩くまいと心に誓う。
幼稚園入学。アウトドア武闘派から一転、読書に目覚める。
将来の夢は本を書く人。好きな本は「みにくいアヒルの子」。全文暗記。
神童の予感。予感のみに終わる。
小学校入学。体育の時間に天敵と一触即発。
あまりの戦況に担任の先生から「公開決闘」の許可が下りる。
クラス全員が見守る中、体育館で取っ組み合いのケンカ。
30分1本勝負。場外乱闘。全身に大日本プロレスなみの裂傷を負う。
この頃3丁目の魚屋のキヨくんと結婚する計画立案。あえなく夢破れる。
将来の夢はミュージカルの作家。郁恵ちゃんの「ピーターパン」に心奪われる。
ピーターパンになりたくてブランコからダイブ。
前方の柵に激突。やはりコマ劇場でなくては飛べないことを悟る。
中学校入学。演劇とトランペットに明け暮れる。
学校一のヘリクツ大将。特技・論破。泣かした先生の数3人。
高校進学。
何を血迷ったかお嬢様系進学校に入学。「ごきげんよう」という挨拶が飛び交う校風にあわてる。
全9クラスの中でも下から3番目の成績を卒業時まで死守。ちなみに以下2名は欠席者。
スカートの丈、髪型、教室にピザの出前をとった、教室に蕎麦の出前をとった、噴水で泳いだ、などの理由で、校長室の常連。やはり、校長先生、論破。
高校進学と同時に、この頃芝居を本格的に始める。
ダンスレッスンの流れで「ザ・バーズ」メンバーとなり、「歌のトップテン」などに出演。
キョンキョンの「学園天国」のバックダンサーがテレビデビュー。
「ウォーリーを探せ」なみの出演状況、発見難易度・きわめて高。
初めてのダンサーとしてのレギュラー番組は、ラッキー池田さんの振付。毎週頭にジョウロをつけて踊る。
初めてのダンサーとしての舞台は、「電撃ネットワーク公演」
自分のダンスの進路に一抹の不安を抱く。
ダンスで得たアルバイト代を資金に、小劇場進出。「自転車操業」という言葉を知る。
鉛筆を転がして、大学進学。
ジュリアナの閉店、芝浦オーバーの閉店、エロスの閉店、無欠席。
劇団ヤンキースタジアム(旧:TEAM童里夢)にて、新宿を拠点に舞台の日々。
芝居の稽古よりもツッコミの稽古が中心。いかに音を立てて頭をはたくかの稽古に連日数時間。
大学3年時。
私のプロフィールがなぜかテレビ朝日にまぎれ込む。「トゥナイト2」出演決定。
時を同じくして、私の宣材写真がなぜかカメラマンの元にまぎれ込む。写真集決定。
ふと気づけば、ただの舞台好きの人間が、ブラウン管の中の人となる。
あまりに多忙かつ非人間的なロケ生活に、テレビを見る時間なし。よってテレビに出ている自覚なし。
街で「あー!」と指をさす若者に、ガンをつけられていると勘違いして絡んでいくこと数回。高尾ちゃんにたしなめられる。
タレント活動と並行しながら舞台活動も続ける。
初めての自主公演ではない舞台作品に出演した際の、劇場入り前日、
「ナグリは持っていかなくていいんですか?」と質問して、「ガチ袋を持つグラビアアイドル」として伝説を残す。
時は流れ、時代は過ぎ行くも、マニアの皆さまのおかげで写真集の出版が続く。「グラビア界の長老」とささやかれる。
17歳のグラビアアイドルと並んで掲載される自分のグラビアに、生まれて初めて「恥じらい」という言葉を知る。しかし、「恥じらい」以上に「恥知らず」がまさり、「グラビア界の化石」とささやかれる。
現在、食育インストラクター、スポーツ栄養アドバイザーとしても活動。
座右の銘「いいからメシを食え」。
そして
過去も現在も未来も、
目の前にある事態に精進。精進。精進。ひたすら精進の日々。
走り続けた先に、何があるのか。
走り続けていれば、どこへ行くのか。
それならば、ただ走るしかないと。走り続ける毎日。
・・・ここに現在、「岡元あつこ」あり。